窃盗:地デジTV盗多発 高価格の最新型狙う 宇都宮、真岡などで数十件発生 /栃木

◇移行前に需要高く 転売目的の犯行か
 来年7月24日の地上波テレビのアナログ放送停止とデジタル放送への完全移行まで1年を切り、地デジ対応チューナーやテレビの需要が高まる中、宇都宮市などを中心に県内で地デジ対応テレビを狙った窃盗事件が数十件発生していることが29日、捜査関係者への取材で分かった。県警は転売目的の連続窃盗事件とみて捜査している。【松本晃】

 捜査関係者によると、地デジ対応テレビが狙われる窃盗事件は今年3月ごろから、宇都宮や真岡、さくら市などで計約20~30件発生。いずれも住民不在時の民家やアパートを狙った空き巣で、無施錠の玄関や窓ガラスを割られて侵入されていた。盗まれたのは主に、地デジ対応の液晶テレビなど最新型テレビ。この他、現金も一部盗まれているという。

 宇都宮市内の複数のリサイクルショップによると、昨年末ごろから地デジ対応のテレビやチューナーの需要が急激に高まっているといい、「普段から問い合わせも多く、品が入ってもすぐに売り切れる」と話す。また持ち込まれる商品の型式や年式、程度にもよるが、中古電化製品の中でも人気が高いことなどから、他の家電製品に比べて買い取り価格を数割高く設定しているという。

 こうした背景から、県警捜査3課は地デジ完全移行へ向け需要が高まり、比較的高価格で取引される新型テレビを狙った犯行グループによる連続窃盗事件とみて捜査している。

時代を駆ける:古葉竹識/2 焼け跡、越境、甲子園

◇TAKESHI KOBA
 くしくも日本でプロ野球のリーグ戦が始まった1936(昭和11)年に生を受け、熊本で育ちました。小学3年で野球に出合ったけれど、とにかく物がない時代。身近にある木や布でバットやボールを手作りし、焼け野原の中を走り回りました。子供のころは、同じ熊本出身の巨人の川上哲治さんにものすごくあこがれましたね。将来はああいう大選手になりたい。そんな思いで毎日、野球漬けの生活を送っていました。小学校のチームでも俊足の内野手として活躍していましたよ。

 《小学生で、野球の名門校だった熊本県立済々黌(せいせいこう)高校への進学を決めた。当時は学区制だったため、遠方の中学校に越境入学。わざわざ電車で通学した》

 もちろん中学でも野球部です。当時の部の先生に「甲子園のグラウンドは素晴らしい。ガラスのように真っ平らで、グラブを出せば自然にゴロが入ってくるぞ」と言われ、一層やる気になりました。念願かなって済々黌高に進むと、1年の秋にレギュラーが取れました。そして、2年の春にセンバツに出場することができたんです。開会式のときには、球場が大きくて大きくて、感動するやら、緊張するやら。でも、試合になると不思議とおくすることなく、一生懸命プレーできました。準々決勝で浪華商(現大阪体育大学浪商高)に惜しくも敗れましたけれど、本当に楽しかった。また甲子園に行ってやろうと思っていたけど、結局その後は出場できずじまい。残念でしたね。

 《高校では友人にも恵まれた》

 進学校で、勉強が厳しくてね。入学したらいきなり「赤点とったら、退部やぞ」と脅されました。練習も厳しくて、15人ぐらいいた同期で最後まで残ったのは5人だけですよ。やめた連中も含めて、今でもみんな親友ですけどね。中にはハンドボールの日本代表になって、オリンピックに出たのもいますよ。当時はバンカラな気風で、履いているのはみんな高げた。酒を飲んだり、たばこを吸う連中もいたけど、私にだけはすすめなかった。「お前はプロに行くんや。悪さしたらいかん」ってね。

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 聞き手・岸本悠/「時代を駆ける」は火~土曜日掲載です。

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 ■人物略歴

 ◇こば・たけし
 東京国際大野球部監督。熊本市出身。プロ野球・広島監督として日本一3度。74歳(写真は済々黌高時代=古葉さん<上左端>提供)

不審者侵入想定し訓練

赤磐市桜が丘西、山陽北小は23日、赤磐署の協力を得て不審者の校内侵入を想定した訓練をした。

 夏休みで校長が不在、教員も出張で少なく、防犯体制が手薄な時の緊急時の対応を学ぶのが狙い。

 不審者役のスクールサポーターがゴム製のナイフを手に教室の窓ガラスをたたいて大声を出したため、教員らがさすまたを手に次々と掛けつけて不審者に対応。押さえつけて警察官に引き渡した。

 教員らはこの後、職員室でビデオ「学校の危機管理 大丈夫ですか、あなたの学校は」を見て学習した。吉久正見教頭は「非常事態はいつ起きるか分からない。常に緊張感を持って対応したい」と話していた。

画面見つめ「君は誰?」 イルカの視覚探る実験中

 イルカは視覚で仲間を見分けているのか―。この疑問に答えようとする世界で初めての実験が、長崎県佐世保市の九十九島水族館「海きらら」で進められている。

 水槽のガラス越しに置かれた大型テレビにイルカやシャチの姿を映した際の目の動きで、認知能力を調べる試み。テレビにイルカが映ると、イルカたちはゆっくりと近寄り、まるで「君は誰?」と尋ねるように、頭を動かす。

 実験は、いずれもメスのバンドウイルカ「ナミ」と「ニーハ」を対象に、同水族館と常磐大(茨城県)が共同で実施。テレビにイルカなどの姿を数秒間映した際の目の動きをビデオ撮影し、動き方や秒数などを詳細に解析、視覚でどう認知しているかを探る。

 イルカは、水中で超音波を出して周囲の状況を認識することが知られているが、視覚をどの程度使っているかの研究例はほとんどないという。

 常磐大コミュニティ振興学部の中原史生准教授は「イルカは音で仲間を認識していると言われているが、視覚でも顔など細かく認識しているかもしれない。そのことが分かればイルカの社会生活や進化解明の手がかりになる」と話している。

大胆不敵な強盗団、犯行の一部始終

スウェーデン・ストックホルムで、大胆不敵な強盗団の犯行の一部始終を防犯カメラがとらえた。

 強盗団が侵入したのは警備会社の社屋で、盗んだ額は約4億6000万円相当。防犯カメラは、ヘリコプターで屋上に着いた強盗団が、屋根のガラスを壊し、ハシゴを使って中に侵入、現金を保管している場所のカギをチェーンソーで壊して現金を盗み、ヘリコプターで飛び立つ様子をとらえていた。

 この事件は去年9月に起きたもので、スウェーデン当局が19日、すでに逮捕されている容疑者10人を起訴したのに合わせ、映像を公開した。犯行に使われたヘリコプターも盗んだものだったという。

「上層階は金持ちで無施錠」…空き巣350件

マンションのベランダから部屋に侵入して現金などを盗んだとして、大阪府警捜査3課と東署は12日、窃盗と住居侵入の疑いで大阪市中央区島之内、電気設備工・井原俊行容疑者(30)(起訴)を逮捕したと発表した。

 「5年前から大阪市内のマンションで350件以上の空き巣を繰り返した」と供述。府警は自宅などから高級ブランドバッグや腕時計など約280点を押収しており、余罪を追及する。

 発表によると、井原容疑者は6月8日午後7時頃、同市中央区博労町のマンション14階の会社員女性(35)宅に侵入して30万円やブランドバッグなど9点(57万円相当)を盗んだ疑い。

 井原容疑者は容疑を認め、「マンション上層階の住人には金持ちが多く、ベランダのガラス戸も無施錠ばかりで入りやすかった」とも供述している。

(2010年7月13日12時37分 読売新聞)

地蔵倒され 頭部折られる 札幌・大平和寺

 5日午前5時20分ごろ、札幌市西区平和の大平和寺の地蔵が倒されているのを散歩をしていた男性(75)が発見して札幌西署に通報した。

 同署によると、地蔵が倒されて頭部がなくなり、近くのほこらも倒されていた。同署は器物損壊の疑いで捜査している。

 先月23日にも地蔵の首がなくなっているのを通行人が発見し、警察官が近くの公衆トイレ付近で首を発見した。

 同寺は観光地・平和の滝の近くにあり、日登寺(同市西区山の手2条)の住職佐藤光則さん(57)が代務住職を務める。現場を訪れた佐藤住職は「ひどいことをすると思いました。悲しくなります」とショックを受けていた。

 午前中に行方不明だった地蔵の頭部は、住職が様子を見に来た時には倒れた地蔵のそばに置いてあったという。

 住職によると、先月15日と29日にも地蔵付近にあるお堂の扉ガラスが破られるなどの被害があった。付近は地元では「心霊スポット」として知られており、数年前からいたずらなどの被害が続いているという。

挙事務所荒らし:参院選栃木選挙区 簗瀬、上野両陣営が被害 テレビ盗難 /栃木

参院選栃木選挙区に立候補している民主党現職の簗瀬進氏(60)の選挙事務所=宇都宮市平松本町=と、自民党新人の上野通子氏(52)が選挙運動に利用している同党県連矢板市支部事務所=矢板市中=が荒らされているのが4日朝、相次いで見つかった。

 県警によると、矢板市支部事務所でテレビ1台(1万円相当)が盗まれていた。簗瀬氏の事務所の被害は確認されていない。両事務所は約25キロ離れており、県警は窃盗・窃盗未遂事件として捜査している。

 宇都宮東署によると、簗瀬氏の事務所では午前5時35分ごろ、一戸建ての壁に穴(縦約80センチ、横約35センチ)が開けられ、室内が荒らされているのを署員が見つけた。また矢板署によると、矢板市支部事務所では午前9時半ごろ、窓ガラスが割られ、テレビが無くなっているのを出勤した陣営関係者が見つけた。【泉谷由梨子】

「たくみの里」に周遊バス みなかみ、10月末まで

みなかみ町須川の観光施設「たくみの里」内の約9キロを周遊するバスが1日、本格的に走り始めた。町観光協会は「乗り降り自由なのでゆっくりと里内を散策してほしい」とPRしている。

 たくみの里は、のどかな田園風景が広がり、収穫を迎えた「さくらんぼ」などの果樹園や陶芸、ガラス細工が体験出来る工房が点在している。

 周遊バスは、飲食店経営者、町議ら約15人が交代で乗り、里内のガイドを務める。総合案内所「豊楽館」が発着場所。午前9時半から約30分間隔で1日、11本運行される。

 昨年秋に試行され、好評だったため、今年は10月末までの4カ月間、本格的に運行することになった。

 1日の出発式には、国土交通省が選定した「観光カリスマ」の河合進さん(68)が乗車した。「バスで出会う人との触れ合いを楽しんで」と話している。

 運賃は大人500円、子ども300円。問い合わせは新治農村公園公社(0278・64・2211)へ。

【フォーカス】80年、心はぐくむ木の校舎 仙台・根白石小

「愛着」次世代へ

 戦前にできた木造校舎で授業を続けている小学校が、仙台市泉区の郊外にある。校舎落成から今年で80年、7月1日に開校記念日を迎える根白石(ねのしろいし)小学校だ。校舎は老朽化し、3年前に取り壊しか耐震補強かの選択を迫られたが、地元住民の希望で“未来”に残された。シンボルの長い廊下は、児童の毎日のふき掃除で輝いている。たくさんの人の愛着が染み込んだ校舎を自分たちで守る-。歴史ある木造校舎は子どもたちの心の教育にも役立っている。(吉原知也)

 黒の木目が美しい壁、赤い屋根からは鳩時計を思わせる三角形の小窓が飛び出している。デザインに凝った鉄筋コンクリートの校舎とは異なる素朴な外観。校舎に足を踏み入れ真っ先に目に入るのは、長さ90メートルのまっすぐに伸びた廊下。まるで忠臣蔵の松の廊下のよう。ゆがみのあるガラス窓から陽光が差し込み、ピカピカに輝いている。

 「まだ、ここふいていないよ。競争しよう!」

 放課後、6年生の元気なかけ声が廊下に響いた。全校児童106人が学年ごとに4、5人に分かれて、自分の教室前の廊下をぞうきんでからぶきする。清掃業者のワックスがけを年3回行っているが、輝きの秘訣(ひけつ)は、このぞうきんがけにある。

 「児童に学校を守る心が育つんです」と伊東智恵子校長(53)。同校児童は地域の清掃活動でも積極的にゴミを拾うのだそうだ。

 6年生の高橋啓太君(11)は「隅にほこりがたまるから、掃除のときは注意してふいています」、米田百花さん(12)は「木の床を磨くことが楽しくて、家の掃除も手伝うようになった」と清掃に余念がない。

 同校は明治6年開校で、昭和5年に現在地に移転した。年月を重ねて、今年で丸80年。仙台市内の小学校で唯一の木造校舎となった。

 長年の風雪に耐えた木造校舎は平成19年、安全面から取り壊しか耐震補強による存続かが問題となった。市教育委員会とPTA、地元町内会の3者で議論を重ねたが、住民側から出た意見の大半は「木造校舎を残したい」という希望。行政側もそれを尊重し補強工事に着手、20年末に完了した。

 木のぬくもりに包まれた校舎は多くの人をひきつける。昨年11月、元校長の娘のチェリストが演奏会を開催すれば、今年3月には、昭和5年入学の元児童が校長室に集まり校歌を合唱、昔を懐かしんだ。玄関で来客を迎えるマットは同年入学の7人が寄贈したものだ。校舎をモデルに風景画を描いたり、写真撮影に遠方から訪れる人も後を絶たない。

 祖母も卒業生という6年生の鴇田真弥さん(11)は「風が通る校舎だから冬はすごく寒いけど、夏は涼しい。校舎の話をよくおばあちゃんとする。木に囲まれて落ち着く校舎が大好き」と笑顔をみせる。

 木造校舎は時代を紡ぎ、交流の輪も広がっている。「先輩が育った校舎を今の児童が大事に思う。昔とほとんど変わらない校舎だからこそ、ぞうきんがけでこうした思いが引き継がれる」と市教委も教育的な意義の大きさを指摘する。

 伊東校長は目を輝かせてこう語る。「天井の木目、床がきしむ音、木が生きていることを実感できる校舎。地域、児童、教職員、みんなが愛着を持って、人間関係がつながる校舎。学校全体で大事にしていきたい」

 ■根白石小学校 明治6年に根白石17番小学校として開校。当時は児童38人。その後、根白石尋常小学校に改称し、昭和5年に現校舎を総工費6万9000円(当時)で建築した。当初は平屋を3棟つなげた形だったが、児童の減少などで一部取り壊され、現在は2棟だけになっている。

 平成20年からの耐震補強工事には同校出身者の宮大工が加わり、校舎の基礎構造を変えることなく、耐震、断熱に効果のある土壁を残すことに成功した。同年の岩手・宮城内陸地震では、窓ガラス1枚割れることなく揺れへの強さを証明した。