上杉家ゆかりの品々公開 長井で発見の茶つぼなど

上杉謙信愛用とされる観音経を収めた箱や、織田信長が謙信に贈ったとされる茶つぼなど、長井市内でこのほど見つかった上杉家ゆかりの品々が30日から、同市のやませ蔵美術館で公開された。

 展示されているのはほかに上杉家の家紋である「竹と雀」でデザインされた煙草(たばこ)盆、謙信公筆とされる書、上杉家から家臣らに贈られた切り子ガラスの花瓶やおわん、上杉家に所蔵されたとみられる硯(すずり)、上杉家との関係は不明だが蒔絵(まきえ)で源氏物語が描かれた竹編み文庫の計8点。いずれも長井商工会議所会頭で協同薬品工業相談役の横沢浩次さん(79)の所蔵品だ。

 観音経は傷む恐れがあるため写真だけの展示となったが、工芸品としても一級品の品々ばかりとあって、訪れた人は「見事なものだ」と感じ入った様子で鑑賞していた。同美術館では当面、11月22日まで毎週金、土、日曜日に公開される。

バールで車を襲撃? 1人負傷、男3人組逃走 ミナミ

29日午後11時15分ごろ、大阪市中央区日本橋2丁目の路上で、男性の乗った乗用車が窓ガラスをバールのようなもので割られる強盗に遭ったようだ、と通行人から110番通報があった。

 大阪府警南署によると、男性は30代とみられ、頭を殴られて病院に運ばれたが、意識はしっかりしているという。現場は繁華街から外れた通りで、人を待つため乗用車を止めていたらしい。殴ったのは男3人組で、別の車で逃走したとみられるという。男性の携帯電話や車のカギがなくなっているといい、同署が強盗傷害容疑で調べている。

ガラスの仮面 [著]美内すずえ

■「紅天女」を巡る30年の闘い

 1976年に少女漫画雑誌「花とゆめ」に連載が開始、30年以上たった今でも物語は完結していない。幻の名作「紅天女(くれないてんにょ)」を演じるのは北島マヤなのか、ライバルの姫川亜弓なのか。マヤと「紫のバラの人」速水真澄は結ばれるのか。中毒症状に陥ったファンは気持ちを抑えながら待っている。

 コミックス単行本の第40巻(93年)から第43巻(09年)まで、実に16年もかかった。ファン層はすでに祖母、母、孫の3代までも広がり、国民的な漫画といっていい。そして8月に刊行された待望の44巻。マヤと真澄はそれぞれの三角関係が進行し、いつもならマヤが直面する絶体絶命の危機が、亜弓に降りかかり――。

 現在、累計で約5千万部。これほどまでに読まれる理由はいくつもある。漫画の中で、『奇跡の人』などの古典や著者オリジナルの劇が上演される二重の物語性。いじめによって舞台で本物の泥だんごを食べるはめになっても、底辺から這(は)い上がっていくポジティブな少女のマヤや、親の七光りに頼らず自分の力で道を開こうとする努力の人・亜弓といった強いキャラクター。そして、初恋のような純粋さを失わないそれぞれの恋模様(マヤは真澄が「紫のバラの人」だとなかなか気づかなかった)。月影先生をはじめとするマヤを支える人々の、アドバイスとしての名ぜりふも効いている。

 最大の理由は、この物語の中で、困難に直面しつつ決断し、行動するのが女性であることだろう。「理想」に向かい「困難」を乗り越え、自分を高めていく。女性読者はマヤや亜弓に重ねることで、エネルギーをもらうのだ。

 マヤがそんな競争に疲れた時には、そう、真澄というセーフティーネットがきちんと用意されている。そのことに読者は何度安堵(あんど)したことか。しかし現実問題としては男性に、陰で支えるような余力はもうなくなっているのだが。

    ◇

 1刷55万部

「刑延ばしたかった」 消化器で窓ガラス割る

青森刑務所内の工場で作業中に消火器を持ち出し暴れたとして、青森刑務所は27日、40代の男性受刑者を器物損壊と公務執行妨害容疑で青森地検に書類送検した。同刑務所によると、男性受刑者は間もなく出所の時期だったが「刑を延ばそうと思った」と話しているという。
 同刑務所によると、男性受刑者は今月6日午前10時27分ごろ、約50人で繊維製品を扱う作業をしていたが、刑務官が他の受刑者を指導していた際、突然備え付けの消火器を噴射した。その後、消火器を振り回し、付近の窓ガラス4枚を割った疑い。
 刑務所内は刑務所に捜査権があり、今回は青森刑務所が捜査し書類送検した。同刑務所によると異例のことだといい、「巡回を強化するなどし再発防止を図りたい」と話した。

殿様の遺品、調査報告パンフ作製

境内の島原藩主松平忠雄(1673~1736年)墓所から豪華な副葬品が見つかった幸田町深溝の本光寺が、写真や図で発掘成果を紹介する一般向けの調査報告パンフレットを1万部作製した。参拝者向けに1部200円で提供し、代金を出土品修繕費用に充てる。

 パンフレットはA2判。16世紀末のドイツ製と判明した青色のガラス杯や銀製の酒器、小判、刀剣、陶器などきらびやかな“殿様の遺品”と、発掘作業や現在の墓所の様子を計50点以上のカラー写真で紹介する。

 本光寺を菩提(ぼだい)寺とする忠雄の先祖が徳川家に仕え、天下統一の戦いに奮戦した経緯や、徳川家康との血縁関係を示す系図も収めた。

 本光寺の鶴田悟裕副住職は「多くの方が出土品に興味津々で参拝してくださる。地元に縁の深い松平家のことも合わせ、より深く知ってもらいたい」と話す。文化財調査に詳しい坂詰秀一・立正大名誉教授は「ここまで迅速な情報提供はまれで、松平家と寺の熱意を感じる。地元で文化財保護の機運盛り上げにつながれば」と期待している。

 松平忠雄の墓所がある東御廟所(ごびょうしょ)は、昨年8月末の豪雨で一部が破損。修理の際、同寺と檀家(だんか)、地元学芸員有志らの「本光寺深溝松平家東御廟所調査会」が発掘調査を進めた。

 (中野祐紀)

物産展の人気、北海道ダントツ JTB調査

JTBが行った物産展に関するアンケートで、北海道が47都道府県中「一番好きな(行ってみたい)物産展」のトップとなった。海産物やスイーツなど豊富な味覚が圧倒的支持を集め、デパートなどの北海道物産展の好調ぶりを裏付けた形だ。

 調査は9月1~10日にインターネットで行い、10代から80代以上まで1200人から回答を得た。「一番好きな物産展またはアンテナショップ」は北海道が602票で全体の半数。沖縄(191票)宮崎(61票)鹿児島(30票)を大きく引き離した。

 「北海道展でおいしいベーコンを見つけた」「スギ花粉の季節には北見のハッカあめとハッカ油を買う」などの意見もあった。沖縄は沖縄そばや泡盛、琉球ガラスが人気で、宮崎は東国原英夫知事の食のPRが関心を引き付けたようだ。

 また「物産展に行った後、その土地へ旅行したことがある」人は65%にのぼり、特産品が旅行への意欲を高める結果もうかがえる。

京大、近大でも…キャパスで薬物汚染拡大記事を印刷する

大阪府警高槻署は23日までに、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で、京都市左京区の京大経済学部4年の吉岡風志容疑者(28)を逮捕した。同日までに、阿倍野署でも大阪市阿倍野区の近大経済学部3年三島一八容疑者(25)を大麻取締法違反(営利目的栽培)容疑で逮捕した。多くの大学に深刻な薬物、大麻汚染が広がっている。

 高槻署による京大生・吉岡容疑者の逮捕容疑は3日午後2時5分ごろ、大阪市西成区の路上で、覚せい剤約0・01グラムを所持していたとする、覚せい剤取締法違反(所持)の疑い。同署によると、吉岡容疑者は逮捕当初「健康のために持っていた」と供述。その後「覚せい剤とは知らなかった」と容疑を否認している。

 だが所持していた財布には、乾燥大麻約0・865グラム、合成麻薬MDMAとみられる微量のピンク色の結晶も見つかった。同署は大麻取締法違反(所持)で追送検する方針だ。

 捜査員が薬物密売人とみられる人物を監視していたところ、ジーパンにトレーナー姿の吉岡容疑者がこの人物に接触。職務質問したところ覚せい剤や注射器を持っていた。また下宿先の家宅捜索でも未使用の注射器1本が見つかったという。

 吉岡容疑者は7月、京都市左京区内のラーメン店でガラスドア(5万円相当)を蹴破ったとして、京都府警下鴨署に器物損壊容疑で逮捕されていた。下鴨署の調べに対し吉岡容疑者は「故意ではなく、足でドアを開けたことがないので加減が分からなかった」などと意味不明な供述を繰り返し、容疑を否認していた。

 吉岡容疑者はこの店では料理を注文せず「ラーメンのスープに肉は入っているか」と店員に質問、店員が「スープに鶏肉が入っている」と答えると突如、激怒したという。

 京大では「事実関係を確認中。今は何も分からない」としている。京大で同容疑者と同学年、同学部の男子学生は「またですか」とあきれ顔だった。

 また阿倍野署による近大生・三島容疑者の逮捕容疑は8月下旬、大阪市阿倍野区の鉄筋コンクリート3階建ての自宅屋上で、営利を目的として大麻草46株を栽培したとする、大麻取締法(営利目的栽培)の疑い。一般からの情報提供を受けて同署が10月6日に同容疑者宅を捜索、大麻草の鉢植えが見つかったため同容疑者を逮捕した。

 同署では大麻草の数が多いことから営利目的とみて調べを進めているが、三島容疑者は「5月ごろ知人が持ってきて、そのまま置いていった。何の鉢かは知らんかった。水もやっていない。何か知らんものを吸うつもりもない」と供述、容疑を否認している。

新春「寅」ボトル

日本酒「満寿泉」を醸造する桝田酒造店(富山市、桝田隆一郎社長)は、来年のえと「寅(とら)」を瓶にあしらった記念ボトルを11月に発売する。

えとのボトルは毎年恒例で、イタリア・ベネチアやハンガリーのガラス工房に制作を依頼。今回の寅ボトル(限定大吟醸350ミリ・リットル、1500円)は、瓶に虎の顔を浮き彫りにしたもので、約6000本出荷予定。虎のガラス細工が底に収められているスペシャル(純米大吟醸520ミリ・リットル、5250円)は、毎年収集しているファンも多く、お歳暮用として100本単位で購入する人もいるという。今回は、約5000本出荷予定だ。

 また、「2010」のロゴが入った2010年ボトル(大吟醸「寿」360ミリ・リットル、5250円)も約500本出荷予定。

 問い合わせは、同社(076・437・9916)。

(2009年10月22日 読売新聞)

ホンダ「アキュラ」、米国での評判は?

恐竜が絶滅して新しい種が生まれたように、自動車産業界、特にスポーツ用多目的車(SUV)で同じことが起きている。
 10年前の米国(急速に変化する自動車産業の旧石器時代に相当)で、ガソリンと汚染物質をまき散らしながら高速道路を占領していたのは全長6メートルのシボレー「サバーバン」やフォード「エクスカーション」などの大型SUVだった。人々は家族全員が乗れてミニキッチンも完備し、いざというときには険しい山道にも分け入っていける車を必要としていた。
 ありがたいことに、その時代は過ぎ去った。それでもワニやトカゲなどが絶滅した恐竜の面影を残しているように、多くのSUVはみな同じような外観を持っている。
 しかし、生物学者ダーウィンが示唆したとおり進化が起きた。“4ドアスポーツクーペ”をうたったホンダのアキュラ「ZDX」の登場だ。クーペといいながら車高は1.5メートルを超え、SUVの「MDX」とプラットホーム(車台)は共通。クーペのようなフォルムを持ったSUVといえるだろう。まだ進化途中にみえるが、ライバル車より洗練され、きびきびしている。首の長い大型恐竜に対してすばしこい小型恐竜というところだ。
 四輪駆動で乗車定員は5人。後部席を倒すと1580リットルの荷物スペースが確保できる。燃費は市街地走行で1リットルあたり7キロ、高速道路走行で9キロと前世代のSUV並み。しかもハイオク指定だ。
 米国での販売は12月中旬からで、価格は「MDX」とサルーンの「RL」の中間に位置づけられ、約4万5000~5万ドル(約410万~455万円)となる見込み。小型SUVのインフィニティ「FX」と同程度で、BMW「X6」などクーペタイプのSUVより1万ドル程度安い。北米限定販売で初年度生産台数は年間6000台。ニッチ市場がターゲットだ。
 走りの性能はどうだろう。3.7リットルV6エンジンは最高出力300馬力。残念なのは4500回転で発生する最大トルクが366Nm(ニュートンメートル)しかないこと。高速道路で追い越しをかけるときは心もとない。6速ATのトランスミッションもシフトダウン時に一瞬間が開き、パワーの伝達がスムーズではない。
 スポーツ走行と快適走行を切り替えるシステムはオプション。スポーツ走行ではステアリングとサスペンションが固くなり、ボディーのロールが最小限に抑えられる。四輪駆動の恩恵を感じるのはこのときだ。コーナリングの最中は外側のタイヤにトルクがかかってくれる。
 この車の進化は機能面よりフォルムの点で進んでいる。どこから眺めても格好いい。外観デザインはアキュラの米国人若手デザイナー、ミシェル・クリステンセン氏とデーモン・シェル氏の手によるものだ。
 車高が最も高いのは前席の後方で、そこから優美な曲線がリアに向かって流れていく。ルーフは黒いガラス製。フードからリアバンパーまでガラスで覆われている。スポーツ車を思わせる後部のデザインがもっとも魅力的だ。テールライト、ガラス製ルーフ、リフトゲートがパズルを思わせるような複雑なデザインを描いてうまくまとまっている。後部ドアのハンドルはサイドウインドウ内に巧みに隠され、スーパークール。
 傾斜するルーフのせいで後部席の頭上はほとんどスペースがない。後部席の中央に座ることはできれば避けたいものだ。前部席は調整可能で高級レザーが用いられている。
 外観の優れた車はおおむね内装も素晴らしいものだが、ホンダ車は電装部が特に優れている。ステアリングはパドルシフター付きで、テールゲートは電動。さらにリアカメラに加え、iPodやブルートゥース接続機能が標準装備されている。テクノロジー仕様車のナビゲーションシステムは渋滞情報と天気情報を知らせてくれる。さらに最上位のアドバンス仕様車にはスポーツモード切り替え、ブラインド・スポット警告システム、クルーズコントロールが装備される。
 ZDXはエネルギー効率を気にする人向けの車ではないが、SUV進化の道筋をつけたといえるだろう。

『完全な防犯策ない』 連続タクシー強盗 頭抱える業界関係者

日光市で今月、タクシー運転手を狙った強盗傷害事件が二件相次いだ。手口は、刃物で刺したり殴打するなどして現金を奪うという手荒なもの。タクシーは完全な密室になる上、運転手は危険な乗客を見極めることも乗車を拒否することもできない。安全を守るにはどうすればいいのか。業界は難しい対応を迫られている。 (横井武昭)

 「犯人はここから乗ったんだって? いつ自分の番になっか分かんねえし怖いわ」。JR宇都宮駅西口で客待ちをしていたベテラン運転手(63)が目をふせる。別の運転手(65)も「一時間以上並んでつかまえた客を断るわけにいかない。こっちも生活がかかってるし、悪い人に当たらないよう祈るしかない」とつぶやいた。

 事件は四日と十三日に起きた。四日は、日光市で乗客の男が運転手(64)を殴り約三万円を強奪。十三日には宇都宮駅西口から乗った男が市内で運転手(68)の胸を刃物で刺し、約四万二千円を奪った。いずれも犯行後に運転手を助手席に乗せて自らタクシーを運転するなど手口が共通する。県警は同一犯による事件と断定し、三十歳前後の男の写真を公開して捜査を進めている。

 全国的にもタクシー強盗は相次いでいる。警察庁によると、今年一~六月の認知件数は九十件。昨年一年間では百九十六件で、二年連続の増加となった。昨年十二月には大阪府東大阪市で無職の男(37)が運転手(67)に刃物で切り付け殺害、八万円を奪う事件も起きている。

 日光市の事件を受けて、県内のタクシー業界は乗務員の安全確保に追われている。県タクシー協会は、加盟百十二社に安全対策を徹底するよう求めた通知を緊急配布した。

 だが、県内の大手タクシー会社は「完全な防犯策などない」と頭を抱える。多くの社が運転席の後ろ側に防刃板を設置しているが、助手席側からは防げない。十三日の事件でも、運転手は人けのない山道で車から降ろされ刺された。日光など観光都市では「客に威圧感を与えコミュニケーションが阻害される」と防刃板導入を渋る社さえあるという。

 車内の異常を知らせる車外灯は市街地を走る際にビルの窓ガラスに映り犯人に警戒される。緊急通報装置付き無線機は事件が起きた後では役に立つかもしれないが、犯罪の抑止効果は薄い。あるタクシー会社は「結局、お客さんへの声掛けや、何かあればすぐ外に飛び出せるよう個々で気をつけるしかない」とため息をついた。