政府 環境モデル都市 横浜など6都市選定 千代田区など7都市も候補に

 政府は7月18日、横浜市など6都市を「低炭素社会」の実現に向けた取り組みを先導的に実施する環境モデル都市に選んだ。また東京都千代田区など7都市を、今後改めて選定を検討する候補都市に位置付けた。政府は、モデル6都市の取り組みに必要な支援を優先的・重点的に行う。
 モデル都市は、規模や地域バランスを考慮して、82件の提案の中から横浜市のほか北九州市、北海道帯広市、富山市、北海道下川町、熊本県水俣市を選んだ。候補都市は千代田区のほか、京都市、堺市、長野県飯田市、愛知県豊田市、高知県檮原町、沖縄県宮古島市。
 選定に当たっては、総理直轄の「地球温暖化問題に関する懇談会」の下に設置した「環境都市モデル都市・低炭素社会づくり分科会」(座長・村上周三慶応大学教授)が、各都市の提案内容を①温室効果ガスの大幅な削減②先導性・モデル性③地域適応性④実現可能性⑤持続性―の基準で評価した結果を踏まえた。「候補都市」は、現状では基準を満たせない項目があると判断された。
 横浜市の提案では、2025年のCO2排出量を04年比30%削減する目標を設定。省エネ住宅や200年住宅の普及に向け、住宅性能評価の格付けや省エネ証書を発行して、固定資産税を軽減することなどを盛り込んでいる。
 モデル都市・候補都市とも、提案内容に基づいて20~30年の長期を見据えた当面5年間のアクションプランを年度内に策定。モデル都市に対しては、アクションプランの実施に必要な予算措置などの支援を優先的に実施。候補都市については、アクションプランの策定状況を踏まえてモデル都市に選ぶかを決める。

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2007年度ヒートアイランド対策進ちょく状況 新築建築物の省エネルギー化率目標突破

 環境省と国土交通省は、2007年度のヒートアイランド対策の進ちょく状況をまとめた。1999年時点で34%だった省エネルギー化率を06年度時点で80%にする目標を立てていた新築建築物は、05年度時点で85%に達し、目標を突破。しかし、99年度時点の5%から08年度時点で50%達成を目標としていた新築住宅は06年度時点で36%にとどまっており、目標達成はかなり厳しい状況となっている。
 ヒートアイランド対策の進ちょく状況は、政府が04年3月に策定したヒートアイランド対策大綱に基づき、関係府省が毎年実施状況を点検・公表しているもの。
 3大都市圏環状道路整備率は、02年度の35%から07年度には60%に引き上げる目標を立てていたが、07年度の整備率は53%にとどまり、目標には届かなかった。
 都市域の水と緑の空間確保量は、02年度時点の1人当たり12平方㍍を07年度時点で13平方㍍にする目標を立てていた。06年度時点で1人当たり12・9平方㍍となっており、目標達成まであと一歩のところまで迫っている。

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道路整備に関しては役所の方々はあまり関心がなさそうです。

それよりも予算がないので、コストの安いものを使うことが多いようです。

「今後の省エネ・環境対策のヒントに」

 静岡県議会は7月4日、静岡県地球温暖化防止活動推進センターと共催で「北海道洞爺湖サミット記念シンポジウム」を開いた。元環境大臣の大木浩氏が、地球温暖化防止をめぐる世界の情勢と今後のあるべき対策について基調講演を行ったほか、県議会各会派の代表がスピーチを行った。会場の県議会議場には、今後の省エネ・環境対策のヒントにしようと、設備分野など建設企業や団体から多くの担当者が聴講に訪れた。
 主催者を代表してあいさつした天野一県議会議長は、温暖化防止について「私たちの自覚のもとで取り組むべき課題」と位置付けた上で、今後は「美しく誰もが住みやすい地球を次の世代に残すために、環境負荷低減に向けた施策を積極的に進めていかなければならない」と延べた。
 講演を行った大木氏は、地球温暖化のメカニズムや世界の情勢に触れながら「今後は発展途上国の参加も視野に入れながら、全世界的な議論を進める必要がある」と持論を展開した。
 スピーチでは、各会派から県議5人と市町議員8人が「地球温暖化防止の風を巻き起こす」と題して意見発表を行った。最後には「県民1人ひとりが家庭、職場、学校、地域などで、率先して温暖化防止の行動を起こそう」と宣言文を採択した。

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