東京で空襲があった 第3部(5)

◆(5)水盃 燃えた表参道
 窓ガラス打つ火の粉の音

 65年前の5月25日夜の空襲の最中、元美術教師の木村万起さん(79)と姉の神戸富起さん(86)姉妹は母と一緒に同潤会アパートに逃げ込み、命を取り留めた。

 万起さん(以下「万」) 住人は逃げた後だった。何階の部屋に入ったのか……。2DKくらいで天井も低いし、広くはないところに、避難してきた人が女の人ばかり、4、5人はいたわね。男の人は見かけなかったわねえ。

 富起さん アパートに入った時だったかしら、あなたが「これからどうなるの?」って聞いたのよ。覚えてる? 「分からない」と言ったわよ。そんなの、分からなかったわよ。

 他の人とは、会話しなかったわねえ。みんな「はあはあ」しながら、外の様子を見ているだけ。火の粉がどんどん窓に降ってきて、ガラスがぱりぱりいうの。それがとても怖かった。軍手をして、ガラスを割って入ってくる火の粉を、こうぱたぱた手で押さえて消したのよ。朝、軍手が真っ黒になってた。

 万 お母さんが「水盃(みずさかずき)しましょう」と言い出したのは覚えている。そこにいた人たちと盃を回したのよ。大人はそこで覚悟したんでしょうね。私はまだ子どもだったのね。ほかはあんまり覚えていないわ。ああ、ものすごい音だけは覚えている。火花が降ってくるような、「ばーっ、ばりばりばり」って。ケヤキの木が燃えている音だったのよね。

スポット:in札幌 らーめん 爐(いろり) /北海道

◇黒いスープは独特の味
 創業は1951年で、60年余りにわたりおいしいラーメンを提供している老舗店。

 同店は大関鉄三さん(87)が北区北16西5で開業したのが始まり。その後、現在のアスティ45ビルに移り、札幌センタービルがオープンすると同時に、地下1階に移転して23年になる。現在は長男の徹史さん(57)が店主として、父親譲りの腕をふるっている。

 ラーメンはしょうゆ、みそ、塩がいずれも750円。見た目は真っ黒なスープが印象的なラーメンだ。「モヤシやタマネギを炒めますが、無精製ラードを強火で焼いた時に表面に黒い色の脂が出るんですよ」と徹史さんは話す。

 脂の膜がスープを適温に保ち、見た目とは違ってまろやかな味わいだ。「独特の味がクセになる」とファンも多い一品だ。

 メニューの中で、一押しはスペシャルらーめん(1050円)。具材はイカ、ツブ、ホタテ、アサリ、ムール貝など魚介類がふんだんに入っており、北海道の海の幸を堪能できる。しょうゆ味が基本だが、みそ、塩味もできる。また、ちゃーめん(あんかけ・900円)も独特の味わいで好評。ご飯物では、手作りのカレーライス(720円)がお薦めだ。

 同店は京王プラザホテルの道路をはさんで隣に位置。店の通路側は天井まで素通しガラスが施され、明るく開放感がある。カウンターやテーブルも清潔感のあるホワイトを基調とし、37人で満席に。近隣のサラリーマンをはじめ、観光客もよく来店している。【芝田賢一】

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 ★札幌市中央区北5西6、札幌センタービル地下1階

 ★電話011・261・9589

 ★月~金は午前11時~午後8時15分オーダーストップ(土曜日は~4時15分)。定休日は日祝日

潮(うしお)風鈴 小樽

小樽の夏の祭典、おたる潮(うしお)まつり(7月23~25日)に合わせて販売するオリジナル風鈴のデザインが決まった。毎年、小樽市内のガラス工房の職人が公募に参加している。

 優勝作品は小樽市の創造硝子(ガラス)工房 STUDIO J―45の馬場雅己さん(33)の「おたる『潮(うしお)の音(ね)』」。青い色に渦巻き状の白い斑紋をあしらったデザインだ。今年は、実行委員長特別賞として硝子工房NAKAMORIの中森信人さん(33)の「潮(うしお)金魚」も選ばれた。金魚の愛らしい姿が印象的だ。

 「おたる『潮の音』」は300個、「潮金魚」は50個が運河プラザなどで販売。いずれも1500円。期間は7月1~31日。

ホーローに新境地 名古屋市中川区「愛知ドビー」

船舶や建設機械向けの鋳造部品を製造する中小企業が開発した高機能の鋳物ホーロー鍋が人気を呼んでいる。部品受注は景気に左右されやすい。消費者向け市場に自社ブランドの製品を出そうという兄弟二人の地道な努力が実を結んだ。節約志向で外食を控える「内食ブーム」も追い風となっている。

 この会社は、名古屋市中川区の愛知ドビー。2月に鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」(直径22センチ)を発売した。色はパールピンク、パールグリーンなど5種類。同社のホームページからネットのみで販売している。価格は2万3800円。人気のフランス製ホーロー鍋と比べると2割ほど安く、注文しても5カ月待ちだ。

 特徴は高い気密性による「圧力鍋効果」。野菜などをそのまま加熱する「無水調理」が可能で、うたい文句は“魔法の鍋”。「家で手軽に高級料理ができる」と評判が広がり、プロの料理家からも評価が高いという。

 同社は1936年創業の老舗。今は社長の土方邦裕さん(35)、専務の智晴さん(32)の兄弟が率いている。二人はそれぞれ豊田通商、トヨタ自動車の社員だった。

 開発のきっかけは2007年、智晴さんが引っ越し祝いに鋳物ホーロー鍋をもらったこと。鋳物鍋は鉄の熱伝導率の高さや炭素による遠赤外線効果で「素材のうまみを最大限に引き出せる」と人気が高い。

 ところが一般に仕上がりの寸法精度は低く、表面も粗くなるため、智晴さんは「鋳造から精密な削り加工まで、一貫して手掛けてきたうちの技術力なら、より気密性が高い世界一の鍋が作れるはずだ」と一念発起した。

 だが“生みの苦しみ”は想像以上だった。ガラスを吹き付けるホーロー加工は鋳物には難しく、微妙な焼成温度の差で気泡が生じ、思うような仕上がりにはならなかった。

 鋳造部門を担当する智晴さんは、最適な鋳物の素材を求め全国の専門家や研究機関を奔走。試行錯誤の末、昨年11月にようやく製品化のめどが付いた。発売後の大反響に、智晴さんは「これまでの法人相手の仕事では味わえなかった感動を覚えた」。

 一生の宝物にしてほしいと、ネーム入れやホーローの加工直しも受け付ける。月500個を生産するのが限界だが、今後は1人用(直径15センチ)、2人用(同18センチ)と商品ラインアップを広げ、5年後に月1000個の販売を目指す考えだ。

 (瀬戸勝之)

「懐かしのビン」展:牛乳など昔のガラス瓶600点 関で展示 /岐阜

関市小屋名の県博物館で23日、昔の牛乳瓶やインキ瓶、水薬などのガラス瓶を集めた「懐かしのビン」展が始まった。瑞穂市本田の山田正利さん(62)が10年以上かけて集めたコレクションの一部で、訪れた人たちからは「そう、こんなのあったあった」と声が上がっていた。6月27日まで。

 ビン約600点を展示。なかにはマニア注目の品も何点かあるといい、明治中期から昭和の時代を感じさせてくれるものばかり。明治の牛乳瓶は容量が90CCと今の半分以下。ねじ付きのガラスのふたもある。色も茶、青、緑とカラフルで、割れたり傷がない完全な形で残っているのが驚かされる。

 名古屋市千種区の奥村康夫さんと萌子さん親子は「たまたま来ました。子どものころにあった薬の瓶など、懐かしいですね」と思いをはせていた。月曜休館で観覧無料。問い合わせは県博物館(0575・28・3111)。【山盛均】

ステンド硝子アート展:マイカル桑名1番街で /三重

桑名市新西方のマイカル桑名1番街で20日、桑名毎日文化センターの「ステンド硝子アート教室」に通う生徒の作品展が始まった。カラーフィルムと特殊な針金状の鉛を用いてガラスや陶磁器に描いた作品が、買い物客らの目を引きつけている。

 同1番街で毎月第1、第3木曜に開く教室には市内に住む主婦らが通い、講師の北沢まり子さん(37)=桑名市陽だまりの丘=の指導を受けている。先月、名古屋城の西之丸展示館で開催した「花鳥風月展」に出品した作品を中心に展示。焼き物の花器に折り鶴を描いた作品や元気にこいのぼりが舞う鏡、ブリキの小物入れに招き猫をあしらった作品など計25点を並べた。6月17日まで。【沢木繁夫】

〔三重版〕

幕末の味「幸民麦酒」、三田青磁でいかが

 日本で初めてビールをつくったとされる三田藩出身の蘭学者(らん・がく・しゃ)、川本幸民(1810~71)の生誕200年を記念して、三田市は6月から、幸民の肖像をデザインしたグラスや三田青磁のビアカップを販売する。一方、伊丹市の小西酒造は、三田市の依頼で幸民と同様の製造法による「幸民麦酒」を来月から発売予定だ。三田市の担当者は「カップやグラスは幸民ビールを飲むのに最適。ぐいっと飲んで幕末に思いをはせてみては」と売り込んでいる。
 三田青磁のビアカップは、陶芸家伊藤伸一さん(46)が、同市下相野の自身の窯でつくった。高さ18センチで容量は360ミリリットルほど。200個限定で、一つずつにナンバーが入っている。値段は幸民の生年にちなんで1810円。
 ガラス製のビアカップには、砂をガラスの表面に吹き付けて絵を描くサンドブラストの方法で幸民の肖像画を描いた。ペアグラスもあり、それには当時の蒸気船の絵も描かれている。市ガラス工芸館の講師がつくった。ビアカップは高さ14センチで600円、ペアグラスは同8センチで1200円。
 6月5日午前11時から同市駅前町のまちづくり協働センターである講演会「幸民ビールの秘密を探る」で販売を始め、同市屋敷町の三田ふるさと学習館などでも販売する。幸民麦酒は6月8日から市内の酒店などで販売する。330ミリリットル入りで630円。問い合わせは駅前町のツキモト酒類(079・563・2023)へ。

住居侵入:疑いで男逮捕 パチンコ玉でガラス割り 福岡

福岡・西署は16日、福岡市西区姪の浜5の男性(50)宅のベランダのガラスを割って室内に入ったとして、近くに住む無職、扇照光容疑者(51)を住居侵入容疑で現行犯逮捕した。扇容疑者は、Y字形のさおの先端に複数の輪ゴムを引っ掛けた手製の「仕事道具」を使い、鍵周辺のガラスをパチンコ玉で割り、室内に侵入したという。同署は「子供の遊び道具のようなものを使うとは……」と、昔懐かしい手口に驚いている。

 容疑は、同日午前2時過ぎ、アパート1階の男性宅ベランダの窓ガラスにパチンコ玉をぶつけて割り、室内に侵入したとされる。そこへ家人の男性が友人らと帰宅し、玄関で鉢合わせ。扇容疑者は逃走したが、追ってきた男性の友人(40)に取り押さえられた。

 扇容疑者は男性名義のポイントカードなどが複数枚入ったカードケースを持っており「窃盗目的で入った」と容疑を認めているという。【鈴木美穂】

バスに乗ったまま湖へGo!

【ぶらり釣~りずむ】手長エビの湖岸から東方約3キロの湖岸では、車が陸から湖へ飛び込んだ。昨年から諏訪湖の観光名物として運行開始された「水陸両用観光バスでめぐる諏訪湖探検ダックツアー」。水陸両用車による観光ツアーで、大阪・大川、栃木・川治ダム湖に次いで3番目の登場。大型トラックをスクリューなどを付けて改造。船としても運航可能にしたもの。分類上は船舶のため窓ガラスがないが、湖上クルーズ25分、陸上観光45分の計70分、車で同湖の水面を間近に感じる不思議なひとときだ。1人3000円。

空き巣被害「貴金属など1200万円相当」 福岡・朝倉

14日午後6時ごろ、福岡県朝倉市のパート従業員の女性(64)から、空き巣の被害にあったと110番通報があった。県警によると、女性宅から貴金属や現金合わせて約1200万円相当がなくなったといい、窃盗事件として捜査している。

 朝倉署によると、女性宅は平屋で、犯人は寝室の窓ガラスを割って侵入したらしい。寝室のクローゼットから指輪やネックレスなど貴金属18点(計1180万円相当)、居間の食器棚の引き出しから現金19万7千円がなくなっていたという。

 女性は長男夫婦らと5人暮らしで、同日午前8時50分から午後5時半まで家は留守だった。パート勤務から帰宅した女性が被害に気づいたという。