上杉謙信愛用とされる観音経を収めた箱や、織田信長が謙信に贈ったとされる茶つぼなど、長井市内でこのほど見つかった上杉家ゆかりの品々が30日から、同市のやませ蔵美術館で公開された。
展示されているのはほかに上杉家の家紋である「竹と雀」でデザインされた煙草(たばこ)盆、謙信公筆とされる書、上杉家から家臣らに贈られた切り子ガラスの花瓶やおわん、上杉家に所蔵されたとみられる硯(すずり)、上杉家との関係は不明だが蒔絵(まきえ)で源氏物語が描かれた竹編み文庫の計8点。いずれも長井商工会議所会頭で協同薬品工業相談役の横沢浩次さん(79)の所蔵品だ。
観音経は傷む恐れがあるため写真だけの展示となったが、工芸品としても一級品の品々ばかりとあって、訪れた人は「見事なものだ」と感じ入った様子で鑑賞していた。同美術館では当面、11月22日まで毎週金、土、日曜日に公開される。