画面見つめ「君は誰?」 イルカの視覚探る実験中

 イルカは視覚で仲間を見分けているのか―。この疑問に答えようとする世界で初めての実験が、長崎県佐世保市の九十九島水族館「海きらら」で進められている。

 水槽のガラス越しに置かれた大型テレビにイルカやシャチの姿を映した際の目の動きで、認知能力を調べる試み。テレビにイルカが映ると、イルカたちはゆっくりと近寄り、まるで「君は誰?」と尋ねるように、頭を動かす。

 実験は、いずれもメスのバンドウイルカ「ナミ」と「ニーハ」を対象に、同水族館と常磐大(茨城県)が共同で実施。テレビにイルカなどの姿を数秒間映した際の目の動きをビデオ撮影し、動き方や秒数などを詳細に解析、視覚でどう認知しているかを探る。

 イルカは、水中で超音波を出して周囲の状況を認識することが知られているが、視覚をどの程度使っているかの研究例はほとんどないという。

 常磐大コミュニティ振興学部の中原史生准教授は「イルカは音で仲間を認識していると言われているが、視覚でも顔など細かく認識しているかもしれない。そのことが分かればイルカの社会生活や進化解明の手がかりになる」と話している。

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