日本原燃は16日、六ケ所再処理工場の炉の天井からはがれ落ちた耐火れんがを回収する作業時期について、当初予定していた「3月中」が事実上困難となり、4月以降にずれ込む可能性が高いことを明らかにした。相次ぐトラブルで長期化する試運転がさらに延びることもありそうだ。
耐火れんがは一昨年暮れ、高レベル放射性廃液とガラスを混ぜる炉から落下しているのが見つかった。原燃によると、現在は炉の底に落ちた耐火れんがの回収作業に必要な設備の取り付けなどを進めている段階。しかし、回収するには内部でガラスが冷えて固まっている炉を1千度以上に加熱する必要があるが、約2週間かかるこの「熱上げ」がまだ始まっていない。
その理由を原燃は「遠隔操作による準備作業を慎重に進めてきた結果」と説明。今週末までに始める予定という。
昨夏に原燃が発表した新スケジュールは、今年7月に高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の製造試験を再開させ、10月の試運転終了(完工)を目指している。