福岡市西区の能古島海岸で、同市博多区の会社員諸賀(もろが)礼子さん(32)の切断遺体が見つかった事件で、諸賀さんがいつも持ち歩いていたバッグが自宅アパートに残されたままだったことが、捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は諸賀さんが仕事を終えて自宅に戻った後、何者かに連れ出され、殺害された疑いがあるとみている。
県警などによると、諸賀さんは5日午後7時頃、勤務先の同県筑紫野市の医薬品卸会社を1人で退社。6日朝、ゴルフコンペの集合時間に姿を見せなかった。上司がアパートを訪ねたところ、玄関ドアは施錠されたままで応答がなく、携帯電話もつながらなくなっていた。
捜索願を受理した県警が7日、室内を調べたところ、諸賀さんが普段使っていたバッグが見つかり、中には現金入りの財布が入っていた。携帯電話は見当たらず、ベランダの窓ガラスが割れていた。
バッグや財布を自宅に置いたまま外出するのは不自然であることから、県警は、諸賀さんが帰宅した直後、トラブルに巻き込まれた可能性があるとみている。
諸賀さんの遺体の一部は15日、能古島海岸で発見された。捜査本部は17日も約40人態勢で島周辺を捜索したが、遺留品などは見つからなかった。
(2010年3月18日 読売新聞)