浜松北高転落事故:県に2000万円支払い命令 予見できた--地裁支部判決 /静岡

県立浜松北高校で02年、校舎の屋根が割れて転落し後遺症を負ったとして当時、同校1年だった男性(23)と両親が県を相手取り、約1億8000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が15日、静岡地裁浜松支部であった。中野琢郎裁判長は原告の主張を一部認め、県に約2000万円の支払いを命じた。

 判決によると、02年5月、男性は屋根に落ちたテニスボールを拾うため高さ約4・7メートルのガラス製の屋根に乗ったところ、ガラスが割れて床に転落。重傷を負い、左足などに後遺症が残った。

 裁判は、ガラス製の屋根を設けた県の責任の有無や、危険性を学校が生徒に伝えていたかが主な争点だった。

 中野裁判長は判決で「同様の事故が以前2回発生しており、事故は予見できた」として当時の校長らの責任を認定。一方、屋根は安全性を欠いた設計だったとの原告の主張は「生徒が乗ることは本来の目的ではない」として退けた。

 遠藤亮平県教育長は「主張が一部認められず残念だ。判決内容を精査し対応を検討する」とのコメントを出した。【小玉沙織】

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