長野電鉄の特急「1000系ゆけむり」が走行中に石をぶつけられ、ガラスにひびが入った事案が起きていたことが4日、わかった。県警が器物損壊容疑で捜査している。このほか長野市や東御市で置き石があり、列車が停止するなど、県内で鉄道の安全を脅かす事案が発生している。
長野電鉄によると、湯田中発長野行きの「ゆけむり」に異状があったのは1日午後5時ごろ。本郷―善光寺下間を走行中、地上から地下に入る善光寺下駅の北東約300メートル付近でガラスに約30センチのひびが入った。約40人の乗客がいたが、けが人はいなかった。
県警によると、割れたのは最後尾車両の窓ガラスで、投石を見た乗客が運転手に通報。投石のあった付近の公園で子どもが遊んでいるのを見た乗客もいるという。
「1000系」はかつて箱根路を走っていた小田急電鉄の特急ロマンスカー。床が高く、運転席が2階にあって最前部まで乗客席になっており、眺めがよい人気車両。修理が終わるのは早くても来週後半という。
県内では今年に入って、置き石事案が3件発生している。県警によると、昨年は置き石・置物事案が36件あった。例年4~6月に多くなる傾向があるという。置き石や投石は重大な列車事故にもつながる行為で、列車往来危険容疑は2年以上の懲役に処される場合もある。県警は「おもしろ半分の行為は絶対にやめて欲しい」としている。(杉浦幹治、小林直子、野津彩子)