北と南の海の生物 互いにPR

■小樽と鹿児島 2水族館が展示交換
■職員派遣■観光・物産コーナーも

 日本列島の北と南の端に位置するおたる水族館(小樽市)と、いおワールドかごしま水族館(鹿児島市)が24日から5月末まで、互いの海域の生物を交換する特別展を同時に開くことになった。小規模ながら観光や物産を通じて地域をPRし、職員も相互に派遣する。全国の水族館で例のない試みという。
(三木一哉)

 おたる水族館は「おいどんが桜島の海でごわす」と題して開催。鹿児島湾の特産で、海底から噴き出す硫化水素を栄養源に生きる不思議な生物サツマハオリムシなどを展示する。同ワールドが世界で初めて常設展示した自慢の生物といい、道内での展示は初めて。

 このほか、南国の生き物として、アナジャコ、ウミウシ、ハゼのなかま、サンゴなどを展示。観光・物産コーナーには、薩摩切子やいも焼酎などを出品するほか、「いおワールド」のオリジナルグッズも販売する。

 一方、鹿児島では「凍(しば)れる海はでっかいどー!」と題する。鹿児島市民にとっては「北海道物産展の定番」であるホッケ、タラバガニ、ホタテガイなどの生きた姿を展示する。また、オオカミウオ、フウセンウオなど姿に特徴のある北の海の生き物を見てもらう。観光・物産コーナーでは、小樽のガラス細工、オルゴールなどを出品する。

 職員同士を派遣、館長の自宅にホームステイし、現地側の協力を得ながら、生物の捕獲・収集作業にも取り組む。また、それぞれの水族館の環境保全、生物保護などの活動についてもパネル展示で紹介する。

 二つの水族館がこうした取り組みで協力するねらいについて、おたる水族館の小田誠館長は「それぞれの人たちにとって、気候の違う、非常に遠い場所の海の生物は、見て新鮮で、地球の生態系の豊かさを実感する機会になる。魅力を伝え合うことで、お互いに観光のPRにもなる」と話している。

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