遼を守れ!爆弾処理班待機、皇族並み800人厳戒態勢!

11月25日8時31分配信 スポーツ報知

 遼を守れ-。石川遼(17)=パナソニック=が出場する男子プロゴルフツアーのカシオワールドオープン(27日から)の会場、高知・Kochi黒潮CC(7300ヤード、パー72)に国内プロスポーツ界異例の爆発物処理班を待機させる超厳戒態勢が敷かれることが24日、分かった。クラブハウスなど2度にわたり爆破襲撃されたことを受け、高知県警が配置を決めたもの。この日、発表された世界ランクで117位から67位に浮上した石川はコース入り。恐怖に負けず今季2勝目を目指す。

 まさに超厳戒態勢だ。石川を始めとする選手、ギャラリーの安全を確保するため、高知県警は爆発物処理班を投入することを決めた。県警では「爆破予告などに対応するため、爆発物処理班を待機させる」詳細は警備上の問題で明かせないが、早ければプロアマ戦の行われる26日から、コース近郊に待機させることになるという。

 今大会は、2度の爆破襲撃を受けた。18日夜はクラブハウスのガラスが割られ、22日には高知市内の食品卸業「旭食品」本社の玄関のガラス9枚が割られた。同社は大会協賛企業で、竹内克之会長が同CCを経営する黒潮観光開発の役員を兼務している。県警によると、両現場には、手りゅう弾の破片とみられる金属片や安全ピンが落ちていたほか、爆発の衝撃でできたとみられる穴が床に開いていた。爆発物はいずれも手りゅう弾とほぼ特定し、詳しい鑑定を進めている。

 こうした状況を踏まえ、県警ではこの日からコースや近辺の宿泊施設など約30か所を100人の警察官が巡回し、24時間態勢で警備。爆発物処理班も含め、これほどの警戒態勢は、プロスポーツイベントとしては異例中の異例だ。高知県でも皇室関係者らが来場した02年国体以来。この日も一般ギャラリーが入場できないにもかかわらずゴルフ場へ続く一本道の2か所で検問。県警は「大会が始まればプラスする」と話した。大会中の警官を含めた延べ警備人数は例年の1・5倍の約800人になる見込みだ。

 ものものしい雰囲気が漂うこの日、石川は大会関係者らへのあいさつにコースを訪れた。宮崎から高知へ大半の選手が飛行機で移動するなか、父・勝美さん(52)の提案で車と船で移動。約12時間の移動にも「あんなに長く船に乗ったのは初めて。良かったです」と楽しんだ様子。ゴルフ場へ向かう途中の検問では選手証の提示を求められ「来るまでは不安もあったけど、ここまで厳しくやってもらっているので安心。これまでと同じように戦っていく」。

 この日、発表された世界ランクで117位から67位に浮上。「(残り2試合で)優勝、5位以内なら50位以内に入れるのでは」と、ツアー関係者。来年のマスターズに出場できる世界ランク50位入りも見えてきた。

 「まさか自分に50位が見えると思っていなかった。チャンスがあるなら、それを逃さないようにやりたい。マスターズに出たいし、一生懸命やる」といつものさわやかな笑顔で話した。爆破襲撃の危険に逃げることなく、自身の夢に向かって突き進む。

 ◆爆発物処理班 各都道府県警の警備部機動隊に所属する、爆発物を解体、処理する部隊。不審物の確認、爆弾の撤去、搬送などを行う。爆発物を冷却させ運び出し、人気のない場所で安全に爆発させる処理法が一般的。砲弾や不発弾などは自衛隊の部隊が担当する。

 ◆石川の世界ランクの変遷 ▽397位 07年5月21日=マンシングウェアKSBカップ優勝 ▽218位 08年10月20日=日本オープン2位で426位から急上昇 ▽127位 11月3日=マイナビABC選手権優勝 ▽117位 11月17日=三井住友VISA太平洋マスターズ5位 ▽67位 11月24日=ダンロップフェニックス2位

 ◆世界ランク算出方法 過去2年間の獲得ポイント(P)を出場試合数(最低で40に設定)で割り、数字の多い選手が上位。優勝者には4大メジャーが100、米ツアーが24、日本ツアーが16P。出場者に世界ランク上位者が多く含まれる場合は割り増しになる。今年のダンロップフェニックス優勝のマークセンには36P、2位の石川には21・60Pが与えられた。石川は日本オープン(2位)で19・20P、マイナビABC選手権(優勝)で16Pを手にしている。また、マスターズ出場条件は〈1〉歴代優勝者〈2〉前年マスターズ以降の米ツアー優勝者〈3〉年末の世界ランク50位以内〈4〉大会前週の世界ランク50位以内など18のカテゴリーのほか、〈5〉マスターズ委員会からの特別推薦がある。石川が出場するに可能性があるのは現時点で〈3〉、〈4〉、〈5〉になる。

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