11月11日12時7分配信 中日新聞
【愛知県】名古屋市千種区の東山動物園で9日、再生プランに基づく最初の施設整備となるチンパンジー舎が完成し、来園者に披露された。運動場に建てられた高さ11メートルの「チンパンジータワー」を中心に、習性をふまえた施設へと改め、より生き生きとした姿が楽しめるようになった。
新園舎は立体的な構造が特徴で、鉄骨のタワーから周囲へロープを張り巡らせ、階段や丸太を取り付けた。コンクリートがむき出しだった床面にも緑を植え、樹上で暮らすチンパンジー本来の生活環境を再現した。
9日に開かれたお披露目式典で松原武久市長は「チンパンジーは人間に一番近い動物。自然に近い姿をみてほしい」とあいさつ。テープカットに合わせて、5頭のチンパンジーが新園舎へ放たれた。
2カ月にわたる工事期間中、室内獣舎にこもりきりだったチンパンジーたちは、久しぶりの屋外に大喜び。「ギャアギャア」と声を上げながらロープにぶらさがったり、飛び移ったりして、軽快な動きを披露していた。
また、新園舎にはガラス箱状のコミュニケーションボックスも設置。チンパンジーが中に入り、ガラスを隔てて間近に向き合える施設だが、利用はチンパンジーが新しい環境に慣れてからとなる。
同園は開園80周年となる2017年を目指し、大規模な施設整備を進めている。チンパンジー舎に続き、アメリカ大陸コーナーの改修を予定している。
(加藤弘二)