2014年度末の北陸新幹線開業に向け、富山市は4日までに、富山駅構内の新幹線改札口前の床に工芸ガラスをちりばめ、天井から光を当てて輝かせる「フロア・シャンデリア」(仮称)を整備する方針を固めた。市によると、同様の手法で床を装飾する試みは全国でも例がなく、富山のガラスで新幹線の利用客を迎える。
フロア・シャンデリアは、新幹線改札口前を通る南北自由通路に整備する。縦横15センチ角、厚さ3センチの特製の工芸ガラス「シャンデリアブロック」を床に800~900枚程度はめ込み、天井から色とりどりの光を当ててシャンデリアのような華やかな雰囲気を演出する。
シャンデリアブロックは、富山市の富山ガラス工房が製作する。現在、試作品を製作中で、市は表面の模様や光の反射具合、人が上を歩いても滑りにくい表面加工などを研究している。9月にも完成する試作品の品質を検証した上で、できる限り早い時期に設置工事に入り、新幹線開業までに仕上げる計画だ。
市は当初、南北自由通路の天井からシャンデリアをつるし、「ガラスの街・富山市」をアピールする構想を練っていたが、駅舎の構造上の問題や安全性の観点から方針を転換。検討の結果、富山のガラスの魅力を生かしたフロア・シャンデリアを設ける運びとなった。
市は、南北自由通路の支柱の表面をアルミや県産スギでコーティングし、富山らしい雰囲気にする。また、新幹線開業後に利用可能となる在来線改札口前にも、同様のフロア・シャンデリアを整備する方針だ。市は「新幹線を利用して訪れる多くの人に、富山市ならではのもてなしをしたい」(富山駅周辺整備課)としている。