シャープが堺市の大阪湾岸に建設した液晶パネル工場が1日、操業を始めた。「第10世代」と呼ばれる大型のガラス基板(縦横約3メートル)を世界で初めて採用し、効率良く生産できる。総投資額は約4300億円。甲子園球場約32個分、127ヘクタールの敷地には、ガラスやカラーフィルターなどの基幹部品を供給する17社も進出した。
大阪府が関連企業も含めて244億円の補助金交付を決定、堺市も固定資産税などを10年間、約8割(約300億円分)削減して誘致した。敷地内には薄膜太陽電池工場も建設中で、10年3月までに稼働する予定だ。
ガラス基板は月産3万6000枚からスタート。需要を見極めながら月産7万2000枚まで引き上げる。42型換算で年産1300万台で、国内外の他メーカーにも販売する。
環境対応にもこだわった。照明はすべて長寿命で省電力のLED(発光ダイオード)を採用。太陽電池工場の完成後は、太陽電池パネルを各工場の屋根に設置し、敷地内を走る車両も電気自動車など低公害車にする。【横山三加子】