宮大医学部付属病院:新外来診療棟が完成 診療室を個室化 /宮崎

◇誘導表示も具体的に
 宮崎大学が整備を進めていた医学部付属病院(宮崎市清武町)の新しい外来診療棟が完成し3月30日、報道陣に公開された。患者のプライバシーを守るため診察室をすべて個室化し、分かりやすい案内表示に配慮した。大型連休明けの5月6日から診療を始める。【石田宗久】

 新外来棟は3階建て、延べ約8700平方メートル。小児科や内科、外科など14の診療科を置く。旧外来棟では、診察室内をカーテンで仕切っただけで複数の患者を診る場合もあったが、新外来棟では個室の診察室約120室を整備した。

 棟内は緑色を基調にした明るい配色で窓ガラスにはステンドグラスもある。患者を診察室に誘導する際には、受付番号を壁面の大画面に映し出す。「第1」と数字で表示していた内科は「循環器(高血圧)」「消化器」など具体的にする。

 宮崎大では老朽化に伴い06~12年度の計画で病院施設の再整備を進めており、これまでに手術室などを備えた中央診療棟が完成。総事業費約190億円で、うち外来診療棟、同時に整備された外来管理棟の事業費は約25億円。

名大、人工授精向け注射器具を完成-小型・安価で製作

【名古屋】名古屋大学工学研究科の福田敏男教授、中島正博助教らは、体外受精や人工授精などに使う新タイプの注射器具を完成した。温度により体積変化する熱硬化性樹脂の特徴を利用して吸引、吐出する。熱で作動する仕組みのため、ポンプを使う既存器具に比べて小型で安価に製作できるという。研究機関や医療機関などに提案し実用化を目指す。
 完成したのは受精卵などの対象物を吸引、吐出する器具。吸引、吐出部のガラス管にヒーターを銅線で巻き付けてあり、ここの温度を変化させることで作動する仕組み。ガラス管内部には対象物と熱硬化性樹脂のほか、その間に両者が混ざらないようにするための油を詰め込むのが特徴。
 ヒーターに電気を流してガラス管内部の温度を上げると、熱硬化性樹脂がゲル化し体積が膨張。油を介して先端の対象物を押し出す。