三輪車がとおる

  ◆タイのタクシー

 ◇ムード満点の送迎再開を―昭和の料理店

 山梨にトゥクトゥク?!

 タイの街中を疾走し、庶民の足として有名な3輪タクシーの「トゥクトゥク」が、昭和町のタイ料理店にある。ナンバー登録もしてあり、れっきとした乗り物だ。

 昭和町清水新居のタイ料理店「ショークディー」。店先に置かれた、青色と黄色をベースにした派手な色合いのトゥクトゥクが目を引く。あんどんが付いた屋根と、フロントガラス以外はむき出しの車体で、夏には心地良い風を全身に受けながら走ることができる。

 持ち主は、この店の経営者イサァラポーン・ポンスィーさん(41)。店を営んでいた4年ほど前、「お客さんにもすぐにわかる、タイらしい物を」と考え新車を購入、日本に輸入した。トゥクトゥクは、バンコクの街中でよく見かけるタクシー。近年は、電車や普通車のタクシーも増えつつあるが、根強い人気があるという。

 運転席に1人、後部座席に3人の4人乗り。バイクと同じハンドルがあるマニュアル車で、排気量は軽自動車とほぼ同じ660ccだ。快適に乗れるようにステレオやカーナビも備えてあり、後部座席にはドリンクホルダーもある。メンテナンスも簡単で、普通の車と同じような感覚で乗ることができるという。

 輸入した当初は客の送迎に使っていて、「涼しくて気持ちがいい」などと好評だったが、最近は忙しいこともあり、なかなか運転できないのが悩みだという。昨夏からは、富士急ハイランドで開かれるタイをテーマにしたイベントにトゥクトゥクを貸し出し、雰囲気作りに一役買っている。担当者は「珍しいのでお客さんにも大人気です」。ポンスィーさんは、「時間に余裕ができたら、またお客さんを乗せてあげたいですね」と話している。(高野裕介)

   ◆目引く動く広告

 ◇「児童虐待防止」背負って―笛吹の小俣さん

 やけに大きなオートバイ――と思ったら、後輪が二つ。

 「街中を走っていると、そりゃあ視線を感じますね」

 信号待ちで、隣のドライバーから質問攻めにあうこともあると話すのは、大型オートバイを三輪車に改造した「トライク」のオーナーで、その製造・販売業を営む笛吹市の小俣行弘さん(49)。せっかくの目立つ外観をいかそうと、トライクの後ろにトレーラーをつなぎ、「動く広告」の試行を始めた。

 その第一弾に選んだのは、児童虐待防止推進月間にあたる今月、民間団体が進めるキャンペーンの広告。運動のシンボルであるオレンジ色のリボンのマークと、「オレンジリボン運動」の活字を荷台に大書きした。それを引っ張りながら、後部座席に座る自社マスコットの等身大の着ぐるみと一緒に、毎週火曜日、県内中を走り回る。

 虐待防止に向けた法制度の整備や、子育てに悩む親や被虐待児への支援を広げるための啓発が、運動のねらい。もともと、風船を使ってイベント会場を飾る「バルーンアート」を業としていたこともあって、子どもたちと触れあう機会は多い。イベントを機に子育て支援NPOと知り合ったのが縁で、運動に一肌脱ぐことになった。

 「これからの時代、子どもがキーワードだと思うんですよ」。引っ張る広告も、子どもの未来を明るくする夢や願いにあふれた物がいい、と考えている。(吉田晋)

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